【速報】2021年10月25日(月)広島県警は容疑者の男(67歳、犯行当時46歳)を逮捕したと発表しました。以下は2021年10月9日に執筆したものです。情報が整理された段階で記事を更新します。
2001年2月6日午後12時45分頃、広島県福山市明王台の住宅で非常警報装置が作動した。警備会社から110番通報が行われ、警察が現場に駆けつけると、この家に住む主婦・大石朝美さん(当時35歳)が左脇腹にナイフを突き立てられて絶命していた。
平日の白昼に発生した凶悪事件だが、2021年現在も犯人は特定できていない。捜査継続中。
【白昼の惨劇】
大石朝美さんは、夫(37歳)と、長男(6歳)と、長女(9ヶ月)の4人暮らし。パチンコ店を経営する夫は同日11時30分頃に出勤し、長男は保育所に預けられていた。家に居たのは彼女と長女の2人だけ。
窓ガラスは割られたりせず、玄関も無理やりこじ開けられたような形跡はない。警察は、犯人が知り合いや宅配業者などを装って訪問したのではないかとみている。そうやって玄関の引き戸が開けられたところを強引に押し入り、驚いた朝美さんは宅内に備えた警報装置を押したものの、もみ合いになるうちに刺されてしまった…という筋である。
朝美さんの遺体はナイフを突き立てられていただけでなく、頭部を陶器のようなもので殴りつけられた痕跡があった。さらに口には粘着テープも貼られていた。なんとも酷い。一方で、居間にいた長女には危害は加えられていなかった。
【物証】
朝美さんの体に突き立てられたナイフは犯人が持ち込んだもの。岐阜県関市のメーカーが製造したギフト用の果物ナイフで刃渡りは約10センチ。また、現場に残った足跡から犯人が履いていたとみられる靴も特定されている。それは28センチのテニスシューズで、広島県内のメーカーが韓国の工場で製造したもの。しかし、いずれも全国流通品であり、犯人の身元を特定するには至っていない。
【推理】
事件当時、大石さん宅の両隣はいずれも留守だった。空き巣による犯行だったとしたらそちらを狙うはずだろう。また、大石さん宅から現金などが奪われた形跡は確認されていない。朝美さんが警報装置を押したため慌てて逃走したのかもしれないが、強盗目的だった可能性は低いのではないか。
強盗でなければ怨恨か。ナイフで刺すだけでも致命傷であるのに、さらに頭部を陶器で殴りつけたのは強い恨みを感じさせる。恨む相手が朝美さん以外の家族だった線も有る。流石に幼い子どもたちが恨まれていることはないだろうが、パチンコ店を経営する夫は、身に覚えはなくとも一方的に恨みを向けられていてもおかしくはないだろう。
あるいは乱暴目的の性犯罪者だったかもしれない。いずれにせよ、他の多くの未解決事件と同じく、犯人像の絞り込みの難しさが事件解決を果てしなく遠くしてしまっているのが現状である。
【参考リンク】
広島県警による情報提供呼びかけページは以下。
https://www.pref.hiroshima.lg.jp/site/police-fukuyamanishi/myououdai.html
【白昼に主婦が住宅で襲撃された事件】
名古屋妊婦切り裂き殺人事件(1988年)
臨月の妊婦が絞殺され、さらに腹を切り裂いて胎児を取り出されたという猟奇的事件。
現場付近で不審な若い男が目撃されたが、ほとんど捜査に進展のないまま2003年公訴時効成立。
名古屋市西区主婦殺害事件(1999年)
白昼に主婦が刺殺される。一緒に居た長男(2歳)に危害は加えられていなかった。
この事件の犯人は女性とみられているが、2021年現在も身元を特定できていない。捜査継続中。
大阪堺市母娘殺傷事件(2006年)
白昼に不審な男が押し入り、主婦が刺殺される。一緒に居た19歳の次女はトイレに逃げ込んで難を逃れた。
2021年現在も犯人の男の身元は特定できていない。捜査継続中。
【出典】
朝日新聞2001年2月7日「主婦、自宅で刺殺 泣いていた赤ちゃん保護 広島・福山」
朝日新聞2001年2月7日「刃物外から持ち込む?テープで口ふさぐ 福山市の主婦刺殺」
産経新聞2001年2月7日「主婦刺殺される 広島・福山の自宅」
毎日新聞2001年2月7日「自宅階段で主婦刺され死亡 赤ちゃんは無事ーー広島・福山市」
読売新聞2001年2月7日「35歳主婦が自宅で刺殺される 9か月の長女は無事/広島・福山」
朝日新聞2001年2月8日「現場に犯人の?靴跡 広島・福山の主婦殺害」
読売新聞2001年2月8日「福山の主婦刺殺事件 室内にテニスシューズの跡/広島県警」
朝日新聞2001年2月12日「絞れぬ犯行の狙い 福山の主婦刺殺からあす1週間 /広島」
朝日新聞2002年2月5日「「敢然と捜査を」県警、福山の主婦殺害1年で検討会 /広島」
朝日新聞2011年2月1日「捜査員ら、遺影に献花 明王台主婦殺害事件、6日で10年 /広島」
2001年2月6日午後12時45分頃、広島県福山市明王台の住宅で非常警報装置が作動した。警備会社から110番通報が行われ、警察が現場に駆けつけると、この家に住む主婦・大石朝美さん(当時35歳)が左脇腹にナイフを突き立てられて絶命していた。
平日の白昼に発生した凶悪事件だが、2021年現在も犯人は特定できていない。捜査継続中。
【白昼の惨劇】
大石朝美さんは、夫(37歳)と、長男(6歳)と、長女(9ヶ月)の4人暮らし。パチンコ店を経営する夫は同日11時30分頃に出勤し、長男は保育所に預けられていた。家に居たのは彼女と長女の2人だけ。
窓ガラスは割られたりせず、玄関も無理やりこじ開けられたような形跡はない。警察は、犯人が知り合いや宅配業者などを装って訪問したのではないかとみている。そうやって玄関の引き戸が開けられたところを強引に押し入り、驚いた朝美さんは宅内に備えた警報装置を押したものの、もみ合いになるうちに刺されてしまった…という筋である。
朝美さんの遺体はナイフを突き立てられていただけでなく、頭部を陶器のようなもので殴りつけられた痕跡があった。さらに口には粘着テープも貼られていた。なんとも酷い。一方で、居間にいた長女には危害は加えられていなかった。
【物証】
朝美さんの体に突き立てられたナイフは犯人が持ち込んだもの。岐阜県関市のメーカーが製造したギフト用の果物ナイフで刃渡りは約10センチ。また、現場に残った足跡から犯人が履いていたとみられる靴も特定されている。それは28センチのテニスシューズで、広島県内のメーカーが韓国の工場で製造したもの。しかし、いずれも全国流通品であり、犯人の身元を特定するには至っていない。
【推理】
事件当時、大石さん宅の両隣はいずれも留守だった。空き巣による犯行だったとしたらそちらを狙うはずだろう。また、大石さん宅から現金などが奪われた形跡は確認されていない。朝美さんが警報装置を押したため慌てて逃走したのかもしれないが、強盗目的だった可能性は低いのではないか。
強盗でなければ怨恨か。ナイフで刺すだけでも致命傷であるのに、さらに頭部を陶器で殴りつけたのは強い恨みを感じさせる。恨む相手が朝美さん以外の家族だった線も有る。流石に幼い子どもたちが恨まれていることはないだろうが、パチンコ店を経営する夫は、身に覚えはなくとも一方的に恨みを向けられていてもおかしくはないだろう。
あるいは乱暴目的の性犯罪者だったかもしれない。いずれにせよ、他の多くの未解決事件と同じく、犯人像の絞り込みの難しさが事件解決を果てしなく遠くしてしまっているのが現状である。
【参考リンク】
広島県警による情報提供呼びかけページは以下。
https://www.pref.hiroshima.lg.jp/site/police-fukuyamanishi/myououdai.html
【白昼に主婦が住宅で襲撃された事件】
名古屋妊婦切り裂き殺人事件(1988年)
臨月の妊婦が絞殺され、さらに腹を切り裂いて胎児を取り出されたという猟奇的事件。
現場付近で不審な若い男が目撃されたが、ほとんど捜査に進展のないまま2003年公訴時効成立。
名古屋市西区主婦殺害事件(1999年)
白昼に主婦が刺殺される。一緒に居た長男(2歳)に危害は加えられていなかった。
この事件の犯人は女性とみられているが、2021年現在も身元を特定できていない。捜査継続中。
大阪堺市母娘殺傷事件(2006年)
白昼に不審な男が押し入り、主婦が刺殺される。一緒に居た19歳の次女はトイレに逃げ込んで難を逃れた。
2021年現在も犯人の男の身元は特定できていない。捜査継続中。
【出典】
朝日新聞2001年2月7日「主婦、自宅で刺殺 泣いていた赤ちゃん保護 広島・福山」
朝日新聞2001年2月7日「刃物外から持ち込む?テープで口ふさぐ 福山市の主婦刺殺」
産経新聞2001年2月7日「主婦刺殺される 広島・福山の自宅」
毎日新聞2001年2月7日「自宅階段で主婦刺され死亡 赤ちゃんは無事ーー広島・福山市」
読売新聞2001年2月7日「35歳主婦が自宅で刺殺される 9か月の長女は無事/広島・福山」
朝日新聞2001年2月8日「現場に犯人の?靴跡 広島・福山の主婦殺害」
読売新聞2001年2月8日「福山の主婦刺殺事件 室内にテニスシューズの跡/広島県警」
朝日新聞2001年2月12日「絞れぬ犯行の狙い 福山の主婦刺殺からあす1週間 /広島」
朝日新聞2002年2月5日「「敢然と捜査を」県警、福山の主婦殺害1年で検討会 /広島」
朝日新聞2011年2月1日「捜査員ら、遺影に献花 明王台主婦殺害事件、6日で10年 /広島」