1997年3月17日、香川県仲多度郡琴南町の山中で若い女性の遺体が発見された。警察の調べにより、遺体は三豊郡詫間町に住む女子高生(16歳)で、死因は窒息死と判明。殺人・死体遺棄事件として捜査が開始されるが、2022年6月現在も犯人は特定されていない。捜査継続中。
※琴南町は2006年3月20日に市町村合併によりまんのう町になりました。
【コンビニのバイトを終えて】
真鍋和加さん(当時16歳、高校1年生)は、自宅から約1.5キロ離れたコンビニ「ローソン詫間駅前店」で週一回程度アルバイトをしていた。普段は自転車で通っているが、雨の日は家族が車で送っていた。1997年3月15日(土曜日)も夕方から雨が降り出したため、家族の運転する車に乗って出勤した。
同日22時に勤務終了。しかし、車で来た日は店から家に電話して迎えを頼んでいたところ、何故かこの日は電話をせずに一人で店を出て行った。ちょうどコンビニにやって来た女性客が、店の前の交差点で小雨の中傘をささずに立っている真鍋さんの姿を見ている。
それから彼女の行方はプッツリと分からなくなった。次に姿を現したのは3月17日。彼女はコンビニから約35キロ離れた琴南町の山中で惨たらしい絞殺体になっていたのである。
【捜査】
3月21日、三豊郡高瀬町にある朝日山森林公園で、真鍋さんの履いていた24センチの靴を左右両方発見。公園はコンビニからおよそ15キロ、遺体発見現場までは約20キロ。コンビニと遺体発見現場のおおよそ中間地点にある。
犯人は車で真鍋さんを連れ去り、公園で彼女の首を絞めて殺害。そして遺体を車に乗せて琴南町へ向かい、山中に死体を遺棄したと考えられている。だが、深夜帯ということもあって目撃証言に乏しく、正確な経路は依然として不明のままだ。
【犯人像】
※琴南町は2006年3月20日に市町村合併によりまんのう町になりました。
【コンビニのバイトを終えて】
真鍋和加さん(当時16歳、高校1年生)は、自宅から約1.5キロ離れたコンビニ「ローソン詫間駅前店」で週一回程度アルバイトをしていた。普段は自転車で通っているが、雨の日は家族が車で送っていた。1997年3月15日(土曜日)も夕方から雨が降り出したため、家族の運転する車に乗って出勤した。
同日22時に勤務終了。しかし、車で来た日は店から家に電話して迎えを頼んでいたところ、何故かこの日は電話をせずに一人で店を出て行った。ちょうどコンビニにやって来た女性客が、店の前の交差点で小雨の中傘をささずに立っている真鍋さんの姿を見ている。
それから彼女の行方はプッツリと分からなくなった。次に姿を現したのは3月17日。彼女はコンビニから約35キロ離れた琴南町の山中で惨たらしい絞殺体になっていたのである。
【捜査】
3月21日、三豊郡高瀬町にある朝日山森林公園で、真鍋さんの履いていた24センチの靴を左右両方発見。公園はコンビニからおよそ15キロ、遺体発見現場までは約20キロ。コンビニと遺体発見現場のおおよそ中間地点にある。
犯人は車で真鍋さんを連れ去り、公園で彼女の首を絞めて殺害。そして遺体を車に乗せて琴南町へ向かい、山中に死体を遺棄したと考えられている。だが、深夜帯ということもあって目撃証言に乏しく、正確な経路は依然として不明のままだ。
【犯人像】
真鍋さんは成績良好で友達も多く、明るい性格。1学期と2学期こそ体調不良による欠席が多かったが、3学期になってからは休むことも少なくなった。行方の分からなくなった3月15日はいわゆる半ドンだったが、担任は午前授業が終わった後に真鍋さんを職員室に呼び出し、進級に必要な出席日数があることを伝えている。無事に進級できると聞いて彼女は嬉しそうだったという。
そんな真鍋さんがなぜ事件に遭ったのか。犯人が車を使ったのはまず間違いないところだが、どのようにして車に乗り込むことになったのだろう。コンビニの前や駅前は若者の「たまり場」でナンパも行われていたらしい。彼女は見知らぬ人の車に乗り込む性格ではなく、事件以前に無断外泊をしたこともなかったとのことだが、粗暴な人物に無理矢理連れ込まれたかもしれない。あるいは複数犯も有り得る。
一方で顔見知りの線もある。バイトを終えた彼女が家族の迎えを呼ばずに店を出たのは、誰かと待ち合わせをしていたからではないか、という見方だ。真鍋さんは事件当時ポケベルを持っており、そしてそれは今なお見つかっていない。すなわちポケベルで犯人と連絡を取り合っていた可能性があるということ。警察は面識があるだけの人も含め300人以上を聴取して手がかりは無かったというが、果たして"未知の知り合い"が存在するのか。
結局のところ、多くの未解決事件と同様に犯人像は定まらないことが捜査を難しくしてしまっている。唯一、あまり人目につかない場所を選んで殺害・死体遺棄をしたことから、地域一帯にある程度の土地勘があったと伺えるくらいだ。
【情報公開】
そんな真鍋さんがなぜ事件に遭ったのか。犯人が車を使ったのはまず間違いないところだが、どのようにして車に乗り込むことになったのだろう。コンビニの前や駅前は若者の「たまり場」でナンパも行われていたらしい。彼女は見知らぬ人の車に乗り込む性格ではなく、事件以前に無断外泊をしたこともなかったとのことだが、粗暴な人物に無理矢理連れ込まれたかもしれない。あるいは複数犯も有り得る。
一方で顔見知りの線もある。バイトを終えた彼女が家族の迎えを呼ばずに店を出たのは、誰かと待ち合わせをしていたからではないか、という見方だ。真鍋さんは事件当時ポケベルを持っており、そしてそれは今なお見つかっていない。すなわちポケベルで犯人と連絡を取り合っていた可能性があるということ。警察は面識があるだけの人も含め300人以上を聴取して手がかりは無かったというが、果たして"未知の知り合い"が存在するのか。
結局のところ、多くの未解決事件と同様に犯人像は定まらないことが捜査を難しくしてしまっている。唯一、あまり人目につかない場所を選んで殺害・死体遺棄をしたことから、地域一帯にある程度の土地勘があったと伺えるくらいだ。
【情報公開】
2017年11月、事件のあった日に被害者が着ていた、ドナルドとグーフィーのプリントされた白地の長袖シャツの写真が県警により公開された。
また、3月16日午前1時〜2時頃に朝日山森林公園や周辺道路で、不審な白のミニバンが目撃されていたことが明かされた。警察はトヨタ・エスティマか、その派生モデルとみているらしい。
もっと早く情報を公開してもよかったと思うが…。
【犯人を追って】
娘の惨たらしい最期に両親は大きな衝撃を受けた。父親は仕事に手がつかなくなって退職。「お前がちゃんと娘の面倒を見ていれば」、「お父さんがアルバイトを許可しなければ」と夫婦で言い争う日々が続いた。
やがて2人は四国のお遍路に出る。犯人憎しの思いをひたすら念じるためだった。父親は二度脳梗塞で倒れ、視力も低下する中で「犯人をこの目で見る」と執念を見せていたが、最後は69歳で力尽きている。
一人になった母親は今も全国の寺を巡る。これまでに訪れたのは延べ3000ヶ所以上。ある日、愛媛県の寺で住職から「憎しみで手を合わせるのではなく、娘さんの供養を一番に考えなさい」と諭され、それからかつてのような憎しみが薄れてきたという。もちろん犯人が捕まることを諦めたわけでは無い。「娘の仏壇に手を合わせて謝ってほしい」と話す。
2010年の刑事訴訟法改正により四半世紀を過ぎた殺人事件でも公訴時効は無い。しかし遺族に残された時間は限られている。犯人を特定することはできるのか。香川県警の捜査手腕が問われている。
【リンク】
香川県警による情報提供呼びかけページは以下。2022年6月現在、上限100万円の懸賞金がかけられている。
https://www.pref.kagawa.lg.jp/police/kskeijikikaku/otazune/kensyoukin.html
【その他の事件】
女子高生が被害者の未解決殺人事件。
・愛知県豊田市女子高生殺害事件(2008年)
・茨城県坂東市女子高生殺害事件(2004年)
・茨城県五霞町女子高生殺害・死体遺棄事件(2003年)
・八王子スーパー「ナンペイ」強盗殺人事件(1995年)
【出典】
朝日新聞1997年3月18日「女子高生絞殺される 香川」
朝日新聞1997年3月19日「だれがこんなことを 先生らショック 女子高生殺害事件」
産経新聞1997年3月19日「被害者は高1女生徒と断定 香川の他殺体」
毎日新聞1997年3月19日「女子高生が絞殺されるー香川」
読売新聞1997年3月19日「女子高生殺される/香川・琴南」
朝日新聞1997年3月20日「手がかりなく捜査難航 捜査員100人全力 三豊郡の女子高生殺人」
朝日新聞1997年3月21日「同級生・友人ら死悼む 殺された女子高生の葬儀告別式 三豊郡/香川」
朝日新聞1997年3月22日「被害者の靴を発見 女子高生殺人事件/香川」
朝日新聞1997年3月26日「遺体発見から10日、捜査続く 三豊郡の女子高生殺人事件/香川」
朝日新聞1997年4月16日「有力手掛かり依然なく 女子高生遺体発見から1カ月 琴南町/香川」
朝日新聞1997年4月17日「女子高生殺人事件 基礎捜査終え、捜査態勢縮小へ 県警/香川」
読売新聞1997年4月17日「女子高生絞殺事件 バイト後に人を待つ?コンビニ客目撃」
朝日新聞2007年3月14日「「犯人憎い」両親悲痛 目撃情報なく捜査難航 旧琴南町の女子高生殺人10年」
読売新聞2007年3月16日「旧琴南の女子高生殺害から10年 犯人見るため生きていく」
読売新聞2009年3月14日「三豊の女子高生殺害12年「心には時効ない」両親、逮捕の報告願う」
読売新聞2010年3月17日「旧琴南町女子高生殺害13年 病床の父 時効廃止期待 法案審議」
朝日新聞2010年6月10日「時効廃止、遺族胸中は「和加の身に何があったか、知りたい」」
朝日新聞2010年7月21日「未解決3重大事件に懸賞金 県警察協会、独自に100万円」
読売新聞2012年3月15日「旧琴南女子高生殺人・遺棄事件 手がかりなく17日で15年」
朝日新聞2017年11月11日「97年女子高生殺害の衣服公開 県警や遺族、情報提供呼びかけ」
産経新聞2017年11月11日「香川・女子高生殺害 未解決20年 母「自首して悔いて」」
読売新聞2017年11月11日「殺人3件の情報提供を 県警 現場周辺でチラシ」
KSB2020年11月19日「未解決のまま過ぎた23年…同級生の「願い」旧琴南町女子高生殺人・死体遺棄事件」
朝日新聞2021年11月18日「犯人逮捕へ「情報を」97年高校生殺害など未解決3件 県警・遺族、チラシ配り呼びかけ」
毎日新聞2021年11月19日「未解決殺人事件:未解決3殺人「情報求む」県警、遺族ら街頭で呼びかけ 県内4カ所」
読売新聞2022年3月19日「香川高校生殺害 未解決25年 憎しみではなく娘のために」
また、3月16日午前1時〜2時頃に朝日山森林公園や周辺道路で、不審な白のミニバンが目撃されていたことが明かされた。警察はトヨタ・エスティマか、その派生モデルとみているらしい。
もっと早く情報を公開してもよかったと思うが…。
【犯人を追って】
娘の惨たらしい最期に両親は大きな衝撃を受けた。父親は仕事に手がつかなくなって退職。「お前がちゃんと娘の面倒を見ていれば」、「お父さんがアルバイトを許可しなければ」と夫婦で言い争う日々が続いた。
やがて2人は四国のお遍路に出る。犯人憎しの思いをひたすら念じるためだった。父親は二度脳梗塞で倒れ、視力も低下する中で「犯人をこの目で見る」と執念を見せていたが、最後は69歳で力尽きている。
一人になった母親は今も全国の寺を巡る。これまでに訪れたのは延べ3000ヶ所以上。ある日、愛媛県の寺で住職から「憎しみで手を合わせるのではなく、娘さんの供養を一番に考えなさい」と諭され、それからかつてのような憎しみが薄れてきたという。もちろん犯人が捕まることを諦めたわけでは無い。「娘の仏壇に手を合わせて謝ってほしい」と話す。
2010年の刑事訴訟法改正により四半世紀を過ぎた殺人事件でも公訴時効は無い。しかし遺族に残された時間は限られている。犯人を特定することはできるのか。香川県警の捜査手腕が問われている。
【リンク】
香川県警による情報提供呼びかけページは以下。2022年6月現在、上限100万円の懸賞金がかけられている。
https://www.pref.kagawa.lg.jp/police/kskeijikikaku/otazune/kensyoukin.html
【その他の事件】
女子高生が被害者の未解決殺人事件。
・愛知県豊田市女子高生殺害事件(2008年)
・茨城県坂東市女子高生殺害事件(2004年)
・茨城県五霞町女子高生殺害・死体遺棄事件(2003年)
・八王子スーパー「ナンペイ」強盗殺人事件(1995年)
【出典】
朝日新聞1997年3月18日「女子高生絞殺される 香川」
朝日新聞1997年3月19日「だれがこんなことを 先生らショック 女子高生殺害事件」
産経新聞1997年3月19日「被害者は高1女生徒と断定 香川の他殺体」
毎日新聞1997年3月19日「女子高生が絞殺されるー香川」
読売新聞1997年3月19日「女子高生殺される/香川・琴南」
朝日新聞1997年3月20日「手がかりなく捜査難航 捜査員100人全力 三豊郡の女子高生殺人」
朝日新聞1997年3月21日「同級生・友人ら死悼む 殺された女子高生の葬儀告別式 三豊郡/香川」
朝日新聞1997年3月22日「被害者の靴を発見 女子高生殺人事件/香川」
朝日新聞1997年3月26日「遺体発見から10日、捜査続く 三豊郡の女子高生殺人事件/香川」
朝日新聞1997年4月16日「有力手掛かり依然なく 女子高生遺体発見から1カ月 琴南町/香川」
朝日新聞1997年4月17日「女子高生殺人事件 基礎捜査終え、捜査態勢縮小へ 県警/香川」
読売新聞1997年4月17日「女子高生絞殺事件 バイト後に人を待つ?コンビニ客目撃」
朝日新聞2007年3月14日「「犯人憎い」両親悲痛 目撃情報なく捜査難航 旧琴南町の女子高生殺人10年」
読売新聞2007年3月16日「旧琴南の女子高生殺害から10年 犯人見るため生きていく」
読売新聞2009年3月14日「三豊の女子高生殺害12年「心には時効ない」両親、逮捕の報告願う」
読売新聞2010年3月17日「旧琴南町女子高生殺害13年 病床の父 時効廃止期待 法案審議」
朝日新聞2010年6月10日「時効廃止、遺族胸中は「和加の身に何があったか、知りたい」」
朝日新聞2010年7月21日「未解決3重大事件に懸賞金 県警察協会、独自に100万円」
読売新聞2012年3月15日「旧琴南女子高生殺人・遺棄事件 手がかりなく17日で15年」
朝日新聞2017年11月11日「97年女子高生殺害の衣服公開 県警や遺族、情報提供呼びかけ」
産経新聞2017年11月11日「香川・女子高生殺害 未解決20年 母「自首して悔いて」」
読売新聞2017年11月11日「殺人3件の情報提供を 県警 現場周辺でチラシ」
KSB2020年11月19日「未解決のまま過ぎた23年…同級生の「願い」旧琴南町女子高生殺人・死体遺棄事件」
朝日新聞2021年11月18日「犯人逮捕へ「情報を」97年高校生殺害など未解決3件 県警・遺族、チラシ配り呼びかけ」
毎日新聞2021年11月19日「未解決殺人事件:未解決3殺人「情報求む」県警、遺族ら街頭で呼びかけ 県内4カ所」
読売新聞2022年3月19日「香川高校生殺害 未解決25年 憎しみではなく娘のために」